
- 薬を間違って2回分飲ませてしまった!
- お兄ちゃんの薬を飲ませてしまった!
どうしたらいいですか?
と言った疑問にお答えします。
薬局が営業している時間帯に電話をかけられれば良いのですが、間違った時に限って夜だったり、休日だったりということはあると思います。
そんな時に少しでも役に立つ情報をお届けできればと思い記事を書いてみました。
目次(タップして自動スクロール)
間違って飲ませた時に真っ先に行うこと
動揺していてはできることもできなくなります。
お子さんの命を救うとなれば、飲ませた後の対応が重要です。動揺や焦りは禁物です。
ポイントは
- 意識があるか
- 呼吸はしているか(呼吸が速くなったり遅くなったりしていないか)
- 脈は触れるか(頸動脈のところでも腕のところでも良いので脈があるか確認してください)
- いつもと違うところはあるか
です。
治療をする上で必ず必要な情報です。例え救急車を呼ぶにしても絶対に聞かれる内容ですし、病院で治療するとなった場合も必要な情報です。
- 飲ませたもの:
- いつ飲ませたか(何時間経ったか):
- どこで飲ませたか:
- どれだけ飲ませたか:
メモしてください。
病院に到着後、飲ませた薬の名前がわからない、どれだけ飲ませたかわからない、いつ飲ませたかわからない、となると調べるのに時間がかかり治療が遅れる可能性が高くなります。
これから人に状況を伝えなければならない!ということを肝に銘じて、起こったことをメモしておくことが必要です。
異常が認められる場合
明らかに「おかしい」と言える場合は迷わず救急車を呼んでください。状況は一刻を争います。
- 保険証
- 医療証
- 数日分の着替え(おむつ含む)
- 財布(お金)
- 先ほど説明したメモ(いつ何をどれだけ飲ませたか書いたもの)
入院になる可能性を考えて、身の回りのものを少しだけでも用意しておくと後々助かります。
お子さんに付き添う保護者以外の方が医療機関に一緒に行く場合は、その方は自家用車で向かうほうが良いです。特に地方に住んでいらっしゃる方、交通の便がよくないところに住んでいらっしゃる方などは重要です。
帰りの足がなくなるためです。
特に異常が認められない場合
特に異常が認められない場合は経過観察を行います。
著者の経験上、元気にしているなら危険性は極めて低いと思われます。
可能性としては低いですが、目に見えない異変があるかもしれません。経過観察を行っている間にできることを紹介します。
夜間や休日などで医療機関に連絡ができない場合、インターネットから調べる方法を紹介します。調べることは専門知識がなくてもできます。専門知識が必要な部分は以下に説明を入れてあります。
「医薬品添付文書」+ 飲ませた薬の名前 で検索
または
から飲ませた薬を検索します。

PDFファイルをダウンロードします。PDFでなくてもページの右側をスクロールすると見ることはできますが、全体像が見えないのでPDFファイルをダウンロードすることをお勧めします。

「過量投与」の項目を探します。添付文書によっては記載がないこともありますが、おおかた載っています。

添付文書に書かれているような症状が出ていないか確認します。症状を表す難しい用語であっても調べればどのようなものかはすぐにわかります。
例えば、「眩暈」ですが、コピーしてGoogleに貼り付ければ検索できます。
めまいは、目が回るようなくらくらとした感覚の総称である。眩暈・目眩・眩冒などと書く。
https://ja.wikipedia.org/wiki/めまい
つまりめまいのことですね。
本題に戻ります。
気になる症状が出ていたら救急車で受診します。
症状がなければそのまま様子を見ます。
いつまで経過観察を行うか
どれくらい経過観察を行うかを紹介します。
一概に「何時間です」とは言えません。しかしながら、薬が体からなくなる時間は推定されますので、その時間を参考にすれば良いのです。
添付文書の「薬物動態」の項目を確認します。
「半減期」が何時間かを調べるためです。
まずは「半減期」またはT1/2というものを探してください。

体の中に入った薬は
おおよそ 半減期の4倍 の時間で体からなくなる
今回のケースでは半減期は1.8時間ですので、薬が体から抜ける時間(経過観察を行う時間)は
1.8 × 4 = 7.2 時間
となります。
服用してから半減期の4倍の時間(今回は約7時間)が経過して特に何もなければ問題はないと考えられます。
比較的長い時間となることが多く、時間が経過するまでには受診できるケースもあるかと思います。
受診できれば医師の指示に従ってもらえれば結構です。
著者の経験を踏まえて言えること
問い合わせを受けた経験からは、その後に異常があったということは一度もありませんでした。
日本の薬は安全志向をとっていて海外の使用量の半分程度で使われることも多買ったりします。逆に考えれば、倍量投与したところで治療の範囲内ということも多いのです。
したがって、見た目の異常がなければほとんどは問題にならいことが多いと考えられます。
冷静になって、お子さんの状態を観察するとともにできることをやってみてください。この記事が少しでも役に立てばと願います。
- 医薬品添付文書「アスベリン」