上記のタイトルでInstagramにアップロードしました。
Instagramでは説明しきれない部分をブログで紹介しようと思います。
目次(タップして自動スクロール)
introduction

血糖値はおおよそ100 mg/dL前後でコントロールされています。
食事を摂ると血糖値がグーンと上がりますが、体内にあるインスリンによって糖分が組織に利用されるため2時間ほどで血糖値は正常の値まで戻ってきます。
ところが、このインスリンが分泌されなかったり、作用が弱まっていたりすると、血糖値をうまく下げることができなくなります。
いわゆる糖尿病ですね。
何らか原因でインスリンが分泌されない場合は、1型糖尿病であることが多いです。
生活習慣病によりインスリンの分泌が悪くなったり、効きが悪くなったりするのが2型糖尿病です。
糖尿病では必然的に血糖値を下げるために、血糖降下薬やインスリンなどの薬を使いますが、これらの薬を使ってしまえば過度に血糖値が下がることがあります。
血糖値が下がりすぎると意識障害や昏睡を引き起こすので生命の危険が迫ります。
そんな時に活躍するのがブドウ糖です❗️
ブドウ糖をどれだけ摂るとどれだけ血糖値が上がるかについて見ていきます。
血糖値と典型的な低血糖の症状

低血糖症状で代表的な初期症状は
- 空腹感
- 振え
- 冷や汗
- 動悸
などが挙げられます。
特にお腹が減った感じは低血糖の初期症状として自覚できることが多いです。
血糖値が低くなると意識障害や昏睡を起こすため危険です。
血糖がゆっくりと低下すると自覚症状がないまま昏睡に陥ることもあるので注意が必要です。
ブドウ糖1gで血糖値はどれだけ上昇するか?

1gのブドウ糖で血糖値は
5 mg/dL
上昇する
摂取量と上昇血糖値を表にまとめると
ブドウ糖 | 1g | 2g | 3g | 4g | 5g | 6g | 7g | 8g | 9g | 10g |
上昇血糖値 (mg/dL) | 5 | 10 | 15 | 20 | 25 | 30 | 35 | 40 | 45 | 50 |
となります。
注意点として
- ブドウ糖以外の糖分で代用する場合はブドウ糖の倍量が目安
- ブドウ糖以外の場合なるべく液体のジュースで代用
- チョコレートやアイスクリームは脂質が多く血糖が上昇しにくい
が挙げられます。
ブドウ糖以外の糖分として、砂糖(ショ糖)が手軽に摂取できますが、ショ糖はブドウ糖と果糖が結合した二糖です。

画像引用:ウィキペディア
ブドウ糖も果糖もおおよそ分子量は同じと考えると、2つが結合しているためショ糖の分子量はブドウ糖の2倍程度になります。
同じ質量1gではショ糖に含まれるブドウ糖は半分になってしまうので、ショ糖をブドウ糖の代わりに摂取する場合は倍量が必要になります。
また、ブドウ糖以外で代用する場合は溶解の過程がない液体の方が、吸収される時間が短くなります。
チョコレートやアイスクリームはカロリーは高いですが、その多くが脂質でできているため、血糖値は上がりにくいです。
低血糖になった時、ブドウ糖はどれだけ摂取すれば良いか?

前項「ブドウ糖1gで血糖値はどれだけ上昇するか?」で紹介したことを踏まえると、
ブドウ糖 5g では 25 mg/dL 血糖値が上昇します。
おおよその目安ですが、血糖値が60〜80 mg/dL程度であれば、ブドウ糖を5g 摂取すると血糖値は正常まで回復します。
血糖値が60 mg/dL未満であればブドウ糖を摂取すること自体難しいかもしれませんが、10gを摂取すると良いです。
摂取 15分後、再度血糖測定を行い、血糖値が 80 mg/dL を超えるまで繰り返します。
注意点として、
意識がない状態で無理にブドウ糖を摂取させようとすると、気管支に入り呼吸困難となることがあります。
低血糖に対する緊急薬「バクスミー®︎」

グルカゴンを鼻粘膜から吸収させるという新しい発想の薬剤が誕生しました。
こちらの薬剤の使用のポイントは
- 投与直前に包装フィルムを剥がす
- 左右どちらかの鼻に噴霧する
- 空打ちの操作は不要(やらない)
- グルカゴンは鼻粘膜から受動的に吸収▶︎患者は吸入しなくて良い
- 追加投与は無効なので、一回だけ投与する
- 鼻炎があっても投与可能(影響はなかった)
- 30°以下で保存
です。
動画でも使い方の説明があるのでこちら👇を参照してもらうと良いです。
メーカーからPDFでも説明書が閲覧できます。
ただし、本人に説明しても、いざ使う時に本人は意識がなくて使えない❗ということが生じます。
いかに家族や周りの方々に理解を得られるか❗️もポイントです。
✅どうやって使うか?
✅どこに保管しておくか?
相談・決定・理解してもらうことが大切です😊
『持ってるだけで使わず救急車』では意味がありません❗️✨
まとめ

- 空腹感、ふるえ、冷や汗などが低血糖の初期症状
- 放っておくと意識障害や昏睡を起こし危険である
- 1gのブドウ糖で血糖値は5mg/dL上昇する
- 血糖値が61〜80mg/dLならブドウ糖5gを摂取
- 血糖値が60mg/dL以下ならブドウ糖10gを摂取
- 血糖値を測定して80〜100mg/dLになるまで
- ブドウ糖を摂取
- 低血糖緊急処置薬のバクスミー®︎が発売になった